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【完全解説】シリコンヒルズ「オースティンのハイテク企業の集積地」

シリコンヒルズ / Silicon Hills

オースティンのハイテク企業の集積地


シリコンヒルズの写真
シリコンヒルズの写真

概要


シリコンヒルズ(Silicon Hills)は、アメリカのテキサス州オースティン都市圏にあるハイテク企業の集積地の愛称である。

 

名前はシリコンバレーに似ているが、オースティンの西側にある丘陵地の名称を指している。この地域のハイテク産業には、エンタープライズ・ソフトウェア、半導体、企業の研究開発、バイオテクノロジー、ビデオゲーム産業、各種スタートアップ企業などがある。

 

テキサスのイノベーションの中心はオースティンにあり、サウス・バイ・サウスウエストでは、音楽祭・映画祭などの芸術イベントとテックのフェスティバルが組み合わされ、何年にもわたって開催されている。

 

また、地元のテキサス大学が高学歴の若者を輩出している。卒業生のマイケル・デルは、1984年に同地でコンピュータの名を冠した巨大企業を立ち上げた。それが「シリコンヒルズ」と呼ばれるようになった始まりである。

 

この地域にオフィスを構えるテクノロジー企業には、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、アマゾン・ドットコム、アップル、アーム・ホールディング、シスコ、イーベイ、ESO、フェイスブック、グーグル、IBM、Indeed、インテル、ペイパル、プロコア、シリコンラブズ、テキサス・インスツルメンツ、オラクル、VMウェアなどがある。

 

また、デルの世界的な本社はオースティン郊外のラウンド・ロックにある。

 

象徴的なシリコンヒルズの地図とカレンダーは、毎年何千ものポスターや販促品(マウスパッド、グリーティングカード、ポストカード)などに印刷され、主要な業界イベント、ダイレクトメール、参加企業によって、世界中に配布されている。

 

オースティンは昨年、ベンチャーキャピタルから18億ドルを調達し、初めて米国のテックハブのトップ10に入った。また、イーロン・マスクが居住地をオースティンに移したことで、今ではヒップスター都市としての地位を確立している。

始まるシリコンバレーからの大移動


2020年12月、オラクルは本社をシリコンバレーからシリコンヒルズに移す発表をした。

 

グレッグ・アボット知事は、「オラクルは、ここテキサスですでに強力な存在感を示している世界的なテクノロジーの巨人ですが、本社をオースティンに移すことを誇りに思います」と述べている。

 

2020年末、アメリカの一部の州では、高税と厳しい規制のため大企業を追い払っており、代わりにテキサス州は友好的なビジネス環境、低税、そして国内で最高の労働力のおかげで、オラクルのような企業が移動しはじめるというビッグウェーブが起きている。

 

また、電気自動車メーカーのイーロン・マスクは、テキサスの首都オースティンに自宅と財団を設立すると発表した。テスラ本社は、ロサンゼルスにある彼の宇宙会社スペースXの本社があるサンフランシスコの近郊に残るが、来年には2番目のアメリカのテスラ工場をオースティンにオープン開く予定だ。

 

また、ヒューレットパッカードは、本社をオースティンではないが、テキサスの成長都市であるヒューストンに移転することを発表した。

 

こうした流れのなか、シリコンヒルズのほかにテキサス全体のテック業界を表す「テキサス・テック」という言葉が生まれつつある。その中心となるのは、やはりオースティンのシリコンヒルズだろう。

ベンチャーキャピタル、インキュベーター、アクセラレーター


オースティンは、2013年に6億2,100万ドルを投資した投資家がいるベンチャーキャピタルのトップエリアの1つである。その43%がソフトウェアおよび半導体企業に投資されている。

 

ベンチャーキャピタルの投資家には、オースティン・ベンチャーズ、セントラル・テキサス・エンジェルズ・ネットワーク、Tritium Partnersなどがいる。

 

また、スタートアップインキュベーターも少なくとも15箇所ある。キャピタル・ファクトリー、オースティン・テクノロジー・インキュベーター、DivInc、Founder's Institute、Tarmac、IC2 Instituteなどである。

 

さらに、オースティンには、Sputnik ATX ベンチャーアクセラレーター、Tech Stars、Mass Challenge TXなど、複数のスタートアップアクセラレーターがある。