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【完全解説】GAFA「世界を支配する4つの巨大企業」

GAFA

世界を支配する4つの巨大企業


概要


GAFA(ガーファ)は、アメリカ合衆国に本拠を置く、Google、Amazon.com、Facebook、Apple Inc.の4つの主要IT企業の頭文字を取って総称する呼称である。

 

GAFAは現在の株式市場はもちろんのこと、私たち一般市民の生活、さらには国の政治にまで及ぶほどに巨大な影響を持ったIT企業として認知され、注目を集めるようになった。

 

4社の時価総額は合計約300兆円で、日本の株式市場全体における時価総額644兆円(2018年11月末時点)の半分に相当する。

 

もともとは2011年ころにエリック・シュミット、フィル・サイモン、スコット・ギャロウェイらによって、成長著しいIT企業4社を呼び慣らわす名称として提唱され、また「gang of four」と呼んでいた。

 

このGAFAという言葉が日本で一般的に広がるきっかけになったのはスコット・ギャロウェイの著書『GAFA 四騎士が創り変えた世界』である。この本によれば

 

  1. 製品の差別化
  2. ビジョンを切り拓く力
  3. 世界へ進出できる力
  4. イメージ、好感度
  5. 垂直的統合
  6. データの活用・マーケティング
  7. キャリアの箔付け
  8. 地の利

 

の8つの要素を持ち合わせていることがGAFAに共通する条件であるという。

 

また「成功するビジネスはどれも、体の3つの部位(脳、心、性器)のどれかに訴えかけるもの」と論じており、たとえばグーグルは脳に話しかけ、アマゾンは狩猟・採集本能をくすぐり、フェイスブックは他者とのつながりを求める、アップルはセレブな女性向けを釘付けにするブランドであるという。

 

GAFAのほかに、中国の巨大企業を代表する百度(Baidu)、アリババ(Alibaba Group Holdings)、テンセント(Tencent Holdings)の3社をまとめてBATという呼び名もある。


Google


概要・経営理念


Googleは1998年にスタンフォード大学のふたりの学生、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが共同で設立した会社である。彼らが開発した検索エンジンをGoogleと名付けて会社を作った。

 

2000年に当時全盛期だったポータルサイトYahoo!のサーチエンジンに採用されたのをきっかけに、同社は大きく飛躍していく。

 

Googleの経営理念は「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」。ロゴと検索ボックスしかないトップページとテキストだけのシンプルなデザインは、使いやすいだけでなく広告に左右されない公平感をユーザーに与えた。

 

もうひとつは「邪悪になるな」というもので、これは自社の利益だけを優先するなという行動規範で、たとえば、Googleが提供しているサービス(Googleアナリティクスなど)を利用すれば、Googleと関わりがなくても莫大な利益を得られる。

 

2000年代なかばになると検索サービスだけでなく、さまざまな事業に手をのばしていく。05年にはスマートフォン向け無償OS「アンドロイド」を開発、06年には動画共有サイト「YouTube」を買収する。今やGoogleに関わるサービスの利用者は10億人を超えている。

収益構造


Googleは、2015年10月に「Alphabet」を親会社とする組織再編を行う。これによりその後、検索、広告、クラウド、Android、YouTube、ハードウェア事業などを運営するGoogle事業と、自動運転車開発(Waymo)、生命科学研究所(Verily)、先端技術研究(X)、AI研究(DeepMind)、ベンチャー投資(GV)などのその他事業(Other Bets)がAlphabet傘下の単独事業として、それぞれ個別に運営されるようになった。

2017年のGoogleの売上高比率。FourWeekMBAより。
2017年のGoogleの売上高比率。FourWeekMBAより。

●広告事業

Googleが利益を出すためのコア事業はインターネットを介した広告事業である。2017年のAlphabetの売上高を見ると、86%以上が広告関連となっている。

 

Googleの広告には、検索サービスで検索されたキーワードに関連する内容を表示する「Googleアドワーズ」と、ウェブサイトに広告を表示させる「Googleアドセンス」がある。

 

アドワーズは検索エンジンに入力したキーワードと関連のある広告を検索結果に表示させるサービスで、オークション形式で広告枠が販売されている。アドセンスはウェブサイト運営者が指定した広告を表示するのではなく、ウェブ閲覧履歴に基づいて閲覧者が興味のあるような広告を表示する。

 

また、Googleはメール、地図サービス、写真アルバム、翻訳、YouTubeなど多彩なサービスを展開しており、どれも基本は無料で利用できるが、どれも検索サービスと同じく広告事業で利益を出している。GmailやGoogleマップやYouTubeを視聴しているときに表示される広告は、基本的にそのユーザーの興味ありそうな広告を表示する。

 

●その他のグーグル部門(コンテンツ販売、クラウド事業、ハードウェア販売)

広告以外にGoogleの収益源となっているものはさまざまなあるが、それは「その他部門」で統一され、売上全体の10%となっている。

 

具体的な内訳を見ると、1つはGoogleが運営するアプリストアGoogleプレイによるコンテンツ販売である。Googleプレイを介して販売されるアプリや課金コンテンツについては、販売額の30%がGoogleの手数料収入となる。ほかにクラウド事業やGoogleアシスタントなどのオリジナルハードウェアによる販売収入がある。

 

●その他の事業(Other Bets)

2015年、GoogleはAlphabetという持株会社を設立する。この会社のもとGoogleサービス全般をはじめ、AIや自動運転、遺伝子、ベンチャーキャピタルなどの先端企業を総合的に管理することになる。Googleサービス以外の事業は「その他事業(Other Bets)」と呼ばれ、現在のところこれらからの収入は全体の1%程度に過ぎない。

今後の経営方針


これまでGoogleの経営方針は「モバイルファースト」だったが、16年から「AIファースト」へ転換することを表明。

 

同年にAIサービスの象徴となる音声アシスタント「Googleアシスタント」をリリース。音声検索、翻訳、写真共有などあらゆるジャンルでAIによる機械学習を強化させサービスの品質の向上を目指す。

 

また、Googleアシスタントを搭載したスピーカー「Googleホーム」を発売。ハードウェア事業にも乗り出した。これまでスマートフォン市場ではおもにAndroidOSの開発が主流だったが、18年には自社開発のスマホ「ピクセル」も発売した。

 

AIとハードウェアを融合することでスマートホームデバイス(家庭環境の情報整理端末)市場の覇権も目論んでおり、AIとハードウェア、そして同社のGoogleマップを融合させたAIによる自動車向けソフトウェア開発もすすめている。

Apple


概要・経営理念


Appleは1976年にスティーブ・ジョブズが中心となって設立した会社。当時、コンピュータといえば業務用しかなかったが、アップルが初めて個人が自宅で使うマイクロ・コンピュータ(パーソナル・コンピュータ)を開発・販売した。

 

1984年にはシンプルで直感的な使いやすさ、デザインへのこだわり、創業者ジョブズの「ミニマリズム」の思想に直結するマイクロ・コンピュータ「Macintosh」を発売。マウスとGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使ってだれでも使えるPCとして人気を集めた。Macintoshはおもに出版を中心としたDTP関係者の間で普及した。

 

2007年には携帯電話とインターネットとiPodを統合したスマートフォン「iPhone」を発表し、2010年にはタブレット端末「iPad」を発表してモバイル市場に革命を起こした。

 

カリスマ創業者ジョブズが2011年に亡くなっても、勢いは衰えることなく、後任CEOティム・クックの指揮下、2018年にアップルの時価総額は1兆ドルを超え、世界初の快挙となった。

収益構造


●ハードウェア

Appleは、ハード、ソフト、コンテンツ、クラウド、直営店などの事業を展開しているが、売上高比率の約80%がハードウェアである。その内訳は61.7%がiPhone、8.8%がMac、8.0%がiPadである。

 

iPhoneおよびAppleのモバイル端末(iPad、Apple Watchなど)はほかのメーカーに比べて利益率が非常に高いのが特徴である。

 

2017年世界のスマートフォン市場の出荷台数やシェアでは、サムスンの約8,000万台に比べてアップルは約4,100万台と、サムスンの約半分にしか満たないが、AppleがiPhoneの販売で得た利益は、業界全体の利益の90%以上を占めている。

 

これは、Appleが独自のサプライチェーン網を整備して製造コストを最小限に抑えつつ、高価格販売の維持が可能なブランド力を持ち合わせて高い利益率をあげているからである。企画・開発から製造、販売まで自社で行う垂直統合型企業であることが高利益率を生み出している。

 

●サービス部門

ハードウェアに続くの高いのがサービス部門で12.9%である。Appleはほかのメーカーと異なりMacでもiPhoneでも独自のOSを搭載し、Appleが運営するアプリストア「App Store」から、端末上で利用するアプリやコンテンツをダウンロードする仕組みになっている。世界中のアプリ開発者がアプリを提供、販売するプラットフォームを構築しており、アプリ開発者はApp Storeを通してアプリを販売する場合、アップルに販売額の3割を支払う必要がある。

 

Appleが提供している音楽ストリーミングサービス「アップルミュージック」は2018年9月期には371億ドルに達し、2019年4月にはアメリカでのApple Musicの有料会員数(2800万)がSpotify(2600万)を上回っている。全世界では依然としてSpotifyの有料会員数が多く、売上高比率も全体の1%ほどでわずかであるがApple Musicの成長は目覚ましい。

2018年のAppleの売上高比率。Business Insiderより。
2018年のAppleの売上高比率。Business Insiderより。

■参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Big_Four_tech_companies

https://techcrunch.com/2011/05/31/schmidt-gang-four-google-apple-amazon-facebook/

Wikipedia-Alphabet

『GAFA 四騎士が創り変えた世界』スコット・ギャロウェイ

・『米中メガテックの戦略「GAFA×BATH」』田中道昭

・『週間東洋経済』2018年12月22日号 東洋経済新報社

・『知っておきたいGAFAの戦略』宝島社